プレゼントで嬉しかったもの

プレゼント

ときどき、プレゼントやお土産をいただくことがあります。そして、人にそういったものを渡すことも好きで、幸せなことに、基本的に「あの人へのお返しどうしよう」だとか「いただいたは良いけれど正直いらんわ」等の感情も抱くこともなく過ごせています。

それもこれも、まずは、合わない人とは深入りしないように徹底的に気をつけている、ということが功を奏しているんだとは思いますが、それでも、「ああ!これ欲しかったの!」というようなものが人の選択によって我が家に訪れてくる嬉しさは、毎回奇跡と感じざるを得ません。私も、そういったプレゼントをできるようになりたい!ので、いただいたものを分析してヒントにしてみたいと思います。

1. 並ばないと買えない話題のスイーツ

シチュエーション:引越し祝い&映画上映会

いただいた方との関係:友人

嬉しい度:★★★★★

ホームシアターを導入した我が家。映画好きの友人たちが集まり、引越し祝いを兼ねて上映会を行った際、その中のメンバーが並ばないと買えない話題のスイーツを持ってきてくれました。私自身は、普段どちらかというとスイーツよりも塩辛いもののほうが大好きなのですが、このときは本当に嬉しかったです。

なぜかというと、引越ししてまだ一週間経つか経たないかくらいの週末で、まだダンボールも家中にあった時のことでした。気のおけない仲間だったからこそ、まだ調理器具も出揃っていないので…と、出前のピザでやり過ごしたとき(事前承認済)に ジャジャーン!”華のある” スイーツの登場!!これは盛り上がりました〜!映画を一時停止するくらい盛り上がりました!

承認済みとはいえ、十分なおもてなしが出来ないかもしれない…という気後れを気持ちよくリカバーしてくれる存在感。本当にありがたかったです。 これは「並ばないと買えない」と「話題の」が非常に効いた盛り上がりだったと思います。

もちろん「みんなが大好きな」「定番の」でも十分だったのかもしれませんが、「十分な用意できなくてごめん」「でもま、みんな好きだよね、パーティーっぽいし」の謝罪と言い訳で満ちていたテーブルに、正反対のものを持ってきてくれるという逆おもてなしをしていただいた気分でした。なんて優しい人なんだろうと、改めて感じました。 そもそも、「並ばないと買えない」ものを買う人の精神がまったくわからないと思っていましたが、それは、自分ではなく、誰かを喜ばせたい場面を思い描きながら、時間をかけておもてなししているんだと、このときにやっと理解し、そして大変な感謝を憶えました。

2. 出かけた先の神社のお守り

シチュエーション:おみやげ

いただいた方との関係:友人や上司

嬉しい度:★★★★★

旅行でお寺や神社に行くこと、まあまああります。大抵、行った先にある神社にはご挨拶しておいたほうがいいとか、記念物の巨木があるから見に行ってみようとか、秘仏があるらしいとか、庭が綺麗らしいとか、パワースポットらしい、くらいのアバウトな理由で、信心深いわけでもないけれど一応行ったおこう的なかんじで、たどり着くわけです。

その、一応たどり着いた場所で、「ああ!ここはいいぞ!」とか「○○の神様と言われているから」とか理由がなければそこでお守りを買うという風にはならないのです。さらに、その時に己以外を対象に「いくつか買って行こう」とか「あげたい人がいる」等といった様々な思考や偶然を経て、いただくことの出来る、遠い神社のお守り。なんだか縁を感じます。嬉しい。すごくありがたいなーと感じます。

いただいたそれぞれは、処分の仕方がよくわかっていない(そして理解するつもりもない)ので、一番無難だと思っている翌年の年始に神社で供養してくれる箱に入れることにしています。しっくり来たものは、処分する理由がわからず長持ちしたりもするくらい薄い信仰心しか持ち合わせていませんが、お守りをいただくと心が温まるような感情に充たされます。

3. 植物

シチュエーション:誕生日祝い

いただいた方との関係:友人夫妻

嬉しい度:★★★★☆

誕生日祝いに、ミニ盆栽をいただきました。素敵な植物で、大切に育てていきたいとグッと決めた瞬間でもあります。星が4つなのは、思ってもいなかった緊張感が突然現れたという驚きのせいです。

しかし、植物といえど生物と生物の出会いはいつも突然でしかるべきです。今日も今日とて、土は乾いていないか、葉はいい色をしているか、日光の当たり具合はどうか、と、観察するのが楽しくて仕方ありません。 私は自由に動かすことのできる身なので、動けない植物にとって辛い環境になっていないか本当に気になります。そして、そんなことを気にする向こう側、なんというか、壁紙のようなかんじで、この植物をくれた友人夫妻の顔がアニメーションで描かれています。

これはすごい効果です。私の生活において、気の持ちようによってはすぐに、または常に、あの友人夫妻が壁紙になり得るのです。そもそもプレゼントとは、そういった性質を持ちがちではありますが、プレゼント自体が生き物となると、プレッシャーが桁違いです。

植物がすくすく健やかに元気なうちは良いのですが、もしも、この植物がある日元気がなかったとしたら、壁紙の友人夫妻の顔は心配そうな表情に変わるのです。私が水やりを怠ったせいで、友人夫妻を悲しませてはいけない!とはいえ水をあげすぎて根腐れさせたら友人夫妻は泣いてしまうかもしれない!と、私と植物との関係に奥行きが生まれます。日々が豊かになり楽しいです。

私はもう結婚してしまったので自分では使えないテクニックですが、もし、好きな人に何かプレゼントをするなら、物ではなく、植物を選んでみてはいかがでしょうか。

4. お客様用の必需品

シチュエーション:引越し祝い

いただいた方との関係:親

ありがたい度:★★★★☆

いままでにはなかった、「客間」ができました。とはいえ、引越し直後は自分のものを揃えるので手一杯。どうでもいいくらい小さな、例えばスリッパひとつ、玄関マットひとつ、大切に選びたい時期。お客さんなんて、いつくるか分からないから、客間のアレコレは一番最後にしようと思っていました。

「必要なものは足りているの?」と両親から連絡があったときも「自分の家だから、ひとつずつゆっくり選んでいっているところよ」と返事をしたところ、「お客様用のお布団は用意した?突然きたりするものだし、適当なものだと良くないよ」と言って、客間用の布団を二人分とインテリア一式を送ってくれました。

星が一つ足りないのは、非常にありがたかったけど、まくらカバー等に親の趣味が入っているところ、が理由です。しかしながら、どんな方が突然我が家に留まることになっても決して恥ずかしくないものを揃えていただきました。布団一式については、普段自分が使っているものより二段階くらい上質なものでした。

客間に関しては正直予算も立ててなかったし、自分たちのアレコレが全て終わってからか、突然の来客予定にアタフタして揃えることになってしまうんだろうなと、おそらく私と夫の性格を両親は予想していたんだと思います。

その予想通り、引越し祝いで来てくれた友人が終電をなくし、急遽お泊まりすることになりましたが、質の良いお客様布団をすぐに提供することができ、翌日「とても居心地がよかったのでまた泊まりたい!」と満足そうに帰って行きました。本当に嬉しい贈り物でした。行く行くは枕カバーも私好みのものに変えたいけれど、親の趣味が入っているのも微笑ましくていいかなとも、今のところは思っています。